航空自衛隊の誇るアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が2025年4月27日に香川県の空を飛行することが発表されました。善通寺駐屯地開設75周年記念行事の一環として行われるこの飛行は、香川県内の複数の名所上空を周遊した後、善通寺駐屯地上空で華麗な展示飛行を披露する予定です。今回の展示飛行は19年ぶりとなる貴重な機会であり、地元出身のパイロットも参加する特別な意味を持つイベントとなります。
飛行計画と見学ポイント
2025年4月27日に予定されているブルーインパルスの香川県内飛行は、綿密に計画されたルートに沿って行われます。飛行は多度津町付近の瀬戸内海から始まり、県内の主要スポットを次々と通過していきます。具体的な飛行ルートと時間は以下の通りです：
- 午前11時56分頃：丸亀城上空
- 午前11時59分頃：香川県立アリーナ（高松市サンポート）上空
- 午後0時2分頃：瀬戸大橋上空（坂出市番の州と与島の間）
- 午後0時5分〜0時15分：善通寺駐屯地上空での展示飛行
各地点の飛行時間はあくまで目安であり、天候や他の条件により前後する可能性があります。また、悪天候の場合は飛行経路が変更されたり、最悪の場合は飛行自体が中止される可能性もあります。最新情報は陸上自衛隊第14旅団のSNS（X：@JGSDF_MA_14B_pr）で確認できます。
展示飛行と通過飛行の違い
香川県内の飛行において注目すべき点は、飛行の種類が場所によって異なることです。丸亀城や香川県立アリーナ、瀬戸大橋上空では「通過飛行」のみが行われ、アクロバット飛行は行われません。華麗なアクロバット飛行、いわゆる「展示飛行」は善通寺駐屯地上空でのみ実施されます。このため、ブルーインパルスの本格的な演技を観たい場合は、善通寺駐屯地周辺での観覧が最適です。
地元出身パイロットの参加と意義
今回の飛行には特別な意味があります。6機編成のブルーインパルスのうち1機を操縦するのは、坂出市出身の浅香光司一等空尉（33歳）です。
坂出高校出身の浅香さんにとって、故郷の空を飛ぶことは長年の「悲願」でした。
「本当に信じられないというのが、最初の印象です。故郷を飛ぶのが私自身の悲願だった」と浅香さんは語っています。彼は小学校高学年頃からパイロットを夢見て努力を重ね、現在はブルーインパルスの一員として活躍しています。パイロットとしてのキャリアでは2年目でブルーインパルスにデビューしたばかりという若手であり、「プレッシャーも半分あるが、うれしさというか、楽しみの方が大きい」と心境を明かしています。
浅香さんはブルーインパルスのパイロットとしての任期3年の間に初めて讃岐の空を飛行することになり、「故郷に錦が飾れるよう今までの感謝の気持ちと、精いっぱいの愛をこめてフライトさせていただきます」と意気込みを語っています。
ブルーインパルスの飛行技術と訓練
ブルーインパルスはその正式名称を航空自衛隊第4航空団第11飛行隊といい、航空祭などで華麗なアクロバット飛行を披露する専門チームです。6機の機体がフォーメーションやソロ演技を披露し、高度な飛行技術を要する演目を行います。
特に「デルタ隊形」と呼ばれる1番機を先頭に三角形の隊形で飛行する形態は見応えがあり、その美しい隊形を維持するために緻密な調整が必要です。浅香さんによれば「美しいデルタ隊形を保つためには、1機でもずれると、ちょっとでも見栄えが変わる。4番機、5番機見比べたり、頻繁に目配せしながら微調整をしております」とのことです。
また、「ビデオを撮ってもらっているものを解析して見栄えを妥協せず切り詰めて、試行錯誤しながらフライトに臨んでいる」と、完璧な演技のために地道な努力を続けていることも明かしています。
記念行事と地域振興
今回のブルーインパルス飛行は単なる航空ショーではなく、複数の地域振興イベントと連動しています。主な目的は「第14旅団創隊19周年及び善通寺駐屯地開設75周年記念行事」ですが、それに加えて以下の地域イベントも盛り上げる役割を担っています：
- 丸亀市の市制施行20周年
- 瀬戸内国際芸術祭2025
- 香川県立アリーナの開業
善通寺駐屯地での記念行事は午前9時から午後3時まで開催され、ブルーインパルスの展示飛行以外にも観閲式、音楽演奏、模擬戦闘訓練展示などのプログラムが予定されています。
観覧のための注意事項
ブルーインパルスの飛行を観覧する際は、いくつかの注意点があります。
まず、丸亀市や高松市など一部の自治体では特別な観覧場所や臨時駐車場が設けられていません。そのため、「交通などの妨げにならない安全な場所から観覧するようにしてください」と呼びかけられています。
また、善通寺駐屯地での記念行事当日は多くの人出が予想されるため、「できるだけ公共交通機関をご利用ください」と主催者から勧められています。
天候面では、OHKの光岡香洋気象予報士によると「4月下旬の香川県内は高気圧に覆われやすく、晴れの日が多くなりそうです」との見通しがあり、天候面での期待も高まっています。「当日は青空とブルーインパルスのスモークのコントラストを楽しんでください」と呼びかけています。
結論
ブルーインパルスの香川県飛行は、単なる航空ショーを超えた地域にとって特別な意味を持つイベントです。地元出身のパイロットが参加することで地域の誇りとなり、複数の周年記念や地域振興イベントと連動することで香川県全体の活性化に貢献することが期待されています。
19年ぶりとなる善通寺での展示飛行は貴重な機会であり、航空機の美しい編隊飛行とアクロバットを目にするチャンスです。天候が良ければ、青空をバックにした華麗な飛行パフォーマンスが香川県民やブルーインパルスのファンを魅了することでしょう。丸亀城、香川県立アリーナ、瀬戸大橋といった香川県の象徴的な場所の上空をブルーインパルスが飛行する光景は、長く記憶に残る特別な一日となることでしょう。
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