2024年は辰年。十二支の中で唯一架空の生き物である辰には、一体どんな秘密が隠されているのでしょうか。
今回は、干支の中でも特別な存在である辰に焦点を当て、その謎を解き明かしながら、干支の深い世界を探っていきます。
架空の生き物「辰」の存在理由
干支は古代中国から伝わった暦や時間を表すシステムであり、その中にはなぜか架空の生き物である辰が含まれています。この理由を探ることで、「十二」という数字の背景にある意味も理解できるかもしれません。
辰→龍が12支に入ったのは何故？
辰は十二支の中で唯一架空の生き物である龍を表し、中国では最も力があるとされる四種の霊獣の一つです。
また、中国の王様は龍の生まれ変わりとされ、龍は重要な動物として崇められてきた。
古代の中国人は龍を実在する動物と考え、身近な存在としてとらえていたため、十二支に入ったと考えられています。
古代中国の思想が影響
辰とは、龍を指す言葉であり、中国では龍は皇帝の象徴であり、水の神として崇拝されていました。
龍は、雨を降らせる力を持つと信じられていました。農業社会であった中国にとって、雨は作物の成長に不可欠であり、龍は豊穣と繁栄の象徴として重要な役割を果たしていました。
そのため、十二支に辰が含まれるのは、古代中国の思想が影響していると考えられます。
他にも、「干支の動物はもともと動物と関係がなかった」という説や、「辰はもともとワニを指していた」という説など、様々な解釈があります。
十二支の起源は草木の成長
もともと十二支は、草木の成長を表すものでした。例えば、子は種子の誕生、丑は芽が出る、寅は草木が生じる、といった具合です。
やがて、植物の成長を示す言葉が動物へと置き換わっていきました。その変化の理由は明確ではありませんが、「一般に普及させるため」という説が有力です。
実在するかどうかに関わらず、竜のような存在が選ばれたのは、その神秘性や人々からの崇敬の念が影響していると考えられます。
干支の正しい読み方と十干十二支の意味
普段は「今年の干支」と言うときに「えと」と読みますが、実は正しくは「かんし」と読むのが正しいです。
これは、「十干十二支」を略した言葉だからです。
十干とは何か
十干は、10日ごとに日を数えるための符号で、甲・乙・丙・丁などで表されます。
十干は十二支と組み合わせて使われ、例えば戊辰戦争は「つちのえのたつ」の年に始まったため、その名がつけられました。
十干は陰陽五行説と結びつき、さらに複雑な意味を持つようになりました。
陰陽五行説との関連
陰陽五行説では、万物は「木・火・土・金・水」の5つの要素から成り立っているとされ、これが十干に当てはめられます。
例えば、甲子は「きのえね」と読み、木の陰に当たります。このように、十干十二支は60通りの組み合わせがあり、これを一周すると「還暦」と言われます。
干支と日常生活
年始には十二支の動物をよく目にしますが、実は日常生活の中にも干支は息づいています。
「上旬・中旬・下旬」や「午前・午後」などの表現も、干支に由来するものです。
言葉の由来を知ることで、歴史の中で生きているような感覚になり、新たな発見があるかもしれません。
今年は、普段の生活の中で干支を意識してみるのも面白いかもしれません。
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